「おぉ~、ここに出たのか。」

てけてけ(という妖怪がいると、まんまるっ子の中で噂)の池を経由して、
蔓のブランコやムベ(まだ見つからなかったけど・・・)のところで遊び、
竹千本(細い竹がたくさん生えているところ)を通って、
森の神様(と、まんまるっ子が呼んでいる大きな木)のところに出た。

「カナヘビがいそうだから、こっちから行きたいな。」

と、カナヘビ取りが大好きなやっくん。

「え~、僕はこっちがいい。
 そっち、もしゃもしゃだから。」

カナヘビが隠れられそうな草むらがあることが、
逆に歩きにくそうだと思ったま~くんは、別の道を提案する。


「僕もこっち~。」
「僕も、こっちから行く!」

ま~くんと同じ道を歩き出す、たっくんともっくん。


「ちょっとまって。やっくんは、こっちがいいって言ってるよ。
 どうする~?」
と、投げかけてみる。


「やだ!こっち!」
「絶対、こっちから行く!」
「そっちは、いやだ!」

自分の氣持ちを大きな声で伝える3人。

「でも、こっちなら、カナヘビがいるかもしれないんだよ?」
やっくんが、自分の行きたい道の魅力を伝えても、聞く耳を持たず、先に進もうとする。


「じゃあさ、あじめとやっくんが、そっちに行って、
 僕たちは、こっちっていうことは?」

別々の道を行く案が出る。

「それじゃ、ま~くんたちが見えなくなっちゃうから、やだな。」

と伝えると、また自分たちの行きたい方の道を主張し合う。


「じゃあ、最初にこっちからみんなで行って、またここに戻ってきて、
 やっくんの行きたい方の道でカナヘビ探したらどう?」

よっくんが、両方の願いが叶う、第三の案を提案する。

「ぐるって回って、また戻ってくるってこと?」
「そうだよ、そしたら、両方の道が行けるじゃん。」


他の子たちが遊んでいるフィールドに戻るものと思っていたので、
また戻ってきて、もう一度別の道から行くという案は、新鮮。

やっくんも、それならいいよと先に他の4人が行きたいという道に進むことを承諾した。


結局、斜面登りが楽しくなって、カナヘビ探しには戻らなかったけれど、
みんなが楽しくなる第三の案が出たことが、うれしかったな。

DSCN4122

DSCN4126

DSCN4131

DSCN4134