「おぉ~、あれ、いいかも~。」

やっくんの進む先には、やっくんの背丈の2/3くらいのタケノコ。

ついこの間まで採っていたタケノコとは違い、直径5センチくらいなので、握りやすい。


「これ、けっこう痛いわ、すげ~。」

自分の太ももを、タケノコで叩いて、確かめる、やっくん。


「俺のは、これだ~。」と、けーくんが振りかざして生えている竹に当てたら、
ボキっと折れちゃった、タケノコ・・・。

すると、「3刀流にも、なるんだぞ! わはははは~。」と、折れたタケノコたちを、
すぐさま拾い上げる。


「下に行ったら、もっといいのがあるかもしれない!」のやっくんの声で、
一段下にも、タケノコを探しに行く。


「ながぶっと(長くて、太いタケノコ)が、いいんだよな~。」
と、あたりを見回す、やっくん。


「俺は、これがいい!
 ほそなーが(細くて、長いタケノコ)だ~。」

けーくんが氣にいったのは、よくしなる、細くて長いタケノコ。

「釣り竿にもなるな~。」

よくしなるから、思い通りには動かないけど、ぶつかっても折れない。


「わ~、僕の背くらいあるじゃんか~!! 僕のは、これだ~!」

やっくんが見つけたタケノコは、背比べをしたら、やっくんと同じくらい。


同じタケノコでも、同じ用途に使おうと思っていても、
それぞれの”これいいな!”の基準は、笑っちゃうくらい全然違う。

お互い、自分の基準に、相手の同意も求めていないのが、清々しい。

個性豊かなまんまるっ子たちを、個性豊かなタケノコたちが待っている。

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