「いっくんが、やめてくれないんだよ~」

半べそで話す、もっくん。


2人の前には、ひっくり返った一輪車。

そのタイヤを、回す遊びをしていたもっくんが楽しそうだったから、
いっくんが一緒にやろうとしたら、もっくんからクレームがきたのだ。


「もう!やめて~」

もっくんが声を大きくしても、いっくんは、タイヤを回す手を止めない。


しばらく様子を見ていたけれど、日頃、「”やめて”って言われたら、やめよう」と
子ども達と話しをしているので、間にはいることにした。


あ:「いっくん、もっくんがやめてって言ってるの、聞こえてる?」

い:「え~、やりたいよ~」

も:「もう!やんないでよ~」

い:「やりたい~」

も:「触らないで!」


あ:「もっくんは、タイヤをいっくんに回してほしくないんだね?
   いっくんは、タイヤを回したいんだね? 」

と、確認すると、2人とも大きく頷く。


あ:「2人の氣持ちが違うんだね、どうしようか。」

と、問いかけても、

も:「やめて!さわらないで!」

い:「やりたい!やりたい!」


しばらく平行線のやりとりをしたら、

いっくんが、「じゃ、交代でやるのはどう?」と、妥協案を出した。

もっくんが、しぶしぶといった感じで、
「いいけど?」というが早いか、いっくんが、タイヤをぐるんぐるん回す。

も:「最初は、僕だよ~」
い:「僕が先だよ!」

も:「(いっくんの時間が)長すぎるよ~」

い:「じゃ、数えるよ。い~~~ち、に~~~~~い。」

も:「長すぎるよ!!」

さらにヒートアップして、もっくんが待ちきれなくて、一緒にタイヤを回し始めた。


・・・すると、

も:「みんなでやると、楽しいね~。」
い:「あじめちゃんも、やる?」

という展開に・・・


ほんのささいな、結果がどっちに転んでもいい事で、
たくさんたくさんぶつかって、自分も相手も大事にしながら、折り合いをつける。
日々、そんな練習がたくさんできる環境って、尊いなと思う。

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