「うっわ~、これ、めっちゃ固くなってるな。」

数週間前につくった、土のケーキ。
角は丸くなりつつも、なんとか原形をとどめていた。

「この色も、変わってるね。」

トッピングにしていた、ピンクのサザンカも、茶色くなっている。


「とれるかな。」

よっくんの目が輝き、枝でつついてみる。

しっかりオーブン皿にくっついていて、うんともすんとも・・・。


「これで、いけるんちゃう?」
フライ返しを手に、は~ちゃんの声のトーンがあがる。


しばらく奮闘すると、1/3くらいが、割れてとれた!



「これ、恐竜の卵なんちゃう?」
「そうなんちゃう?」

なんともうれしそうな2人。


「あ、割れてきたで!」

土が塊からこぼれるたびに、顔を見合わせて、にっこり。


「中から、ピーピー聞こえるで!」と、耳を寄せる。

「ヒヨコ?」

「いや、恐竜だ。恐竜も、赤ちゃんの時は、ピーピーなくんだ。」


その後、他の遊びをしているときも、は~ちゃんの片手には卵(土の塊)がにぎられていて、

度々、そっと両手を合わせては、

「こうやってな、あっためるねんで。」って。


もう、役目を終えたかに見えた、ケーキから、こんな物語が発展するなんて。
子ども達の想像力は、無限大だ。

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