「あっち、行ってみよう。」

乗り物の運転席を作ろうと、斜めになっていた竹をどかしたら、
その先に、わくわくする眺めを見つけてしまった。

それならば、「冒険に行くぞ!」と、なるのは当然!


「わー!!!恐竜の足跡があったぞ!!!」
「で、でかいー。」

よっくんの顔くらいの大きさの、先が3つに分かれている、カクレミノの葉っぱが落ちていた。
確かに、いつも遊んでいる場所では見ない大きさ。


そして、ブーンとも、ブオーとも聞こえる、不思議な音!

「静かに! 恐竜の声かもしれん!」

「いや、これは、火山が噴火した音だ!」

耳をすませると、本当にいろんな音が聞こえてくる。


「あ~、プテラノドンも、飛んでいる!」の声には、天を仰ぐ。

「肉の匂いがしたら、俺たちも食われる!」

「大丈夫だ。まだ人間のままだ!肉にはなっていない!」


上も、下も、近くにも、遠くにもアンテナを張り巡らせて、慎重に進む。


「これをあげる!もっておけ!」

と、お~くんに手渡された葉っぱのついた枝。

「これを持っていれば、恐竜をやっつける時につかえるぞ。」


「こっちは、地図だ。今、ここだから、ここまで行ったらゴールだ。」

よっくんがくれたのは、緑の葉っぱ。
3人で、同じ葉っぱを手に持ち、迷子にならないように現在地を確認する。



斜めになった竹を乗り越え、垂れ下がる蔓をくぐり、斜面では4輪駆動。

真剣な表情で状況を説明し合い、注意を喚起し合い、大発見を分かち合う。

ドキドキが、更なるワクワクを連れてくる。
恐竜も住む、まんまるの森は、本当におもしろい。

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