「アリはな、悪いねんで。」

お弁当を食べながら、おーくんが力説するので、理由を聞いてみると、

「だってな、他の虫とかを殺して、食べるねんで。」と。


「殺したんじゃなくて、死んでるやつを運んでいるだけじゃない?」と、
よっくんが聞くと、

「いや、殺して食べるねんで。だから、悪いねん。」と、きっぱり。

「でも、食べなかったら、アリも死んじゃうんじゃない?」と聞いてみても、

「でも、殺すからだめやねん。」との答え。


「じゃ、人間も、魚とか鳥とかブタとか殺しているから、悪いね。」と言ってみる。

お肉や魚の入ったお弁当が目の前にあるから、わかりやすいかと思ったけれど、


お:「いや、殺してないから悪くないねんで。」

あ:「魚の命を殺して食べているんじゃないの?」

お:「いや、魚釣りをしているだけなんで。」

あ:「釣った魚を殺して、食べているでしょ?」


少し黙って考えたおーくんは、
「ティラノサウルスとかも、他の動物を殺して食べるから、悪いねんで。」と。


釣りが身近だったり、イノシシや鶏の解体に立ち会う機会のあるまんまるっ子でも、
人間が他の動物を殺して食べているとう事実は認識しづらいみたい。


「食べれば、いいねんで。」と、やりとりを聞いていたよっくんが言う。

「そうか、食べる分だけ、大事にいただくようにしたらいいのかな~。」と聞くと、
よっくんが神妙に頷く。



今日、話せたのは、ここまで。

”いい”と”悪い”で、分けることの難しい、命をいただくということ。
どうしてニンゲンは殺したり傷つけてはいけないのに、他の生き物はいいのか。
実感を持って、日々食べ物に感謝していただくということを感じる機会を作っていきたいと思う。
いただいた命で生かされている、自分のことを大事にすることも、もちろんだ。

DSCN9955

DSCN9957

DSCN9959

DSCN9961