「もう、ムベのところ、行っちゃうよ~」

「えっ、待って、待って~。」

あ~ちゃんが先を急ぐというので、
慌てて池の傍に降りられる狭い場所からよじ登ろうとする、よっくん。

一緒にいたいっくんも同時に登ろうとするから、体がぶつかり合って、
自分の思うように動けない。


「も~、狭いよ~!」
「僕も行きたいんだよ~!」

同じ根っこを手掛かりにしようとして、またひともんちゃく。


いつも仲良しな二人の間に、ちょっとイヤな空氣が漂っていた。


その時、突然、

「わ、きれい!」

よっくんが空を指さし、ごろんと背中を斜面につけた。


みんなで見上げると、紅葉した樹々の葉と空とお日様の光が、そこにあった。


一瞬でみんなが笑顔になって、
一瞬で空氣がほんわかした。


ほらね、やっぱり森は、たくさんのことを教えてくれるんだ。
そして、それに氣づくアンテナを磨いておくのも、とっても大事。

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