お:「言ったし!」

さ:「言ってないし!!」

お:「絶対、言った!」


すごい剣幕で、自分の主張を言い合う、おーくんとさっちゃん。


言い争いの種になったのに、優雅に木に止まって、見下ろすのは、1羽のカラス。


「あのカラス、元氣がないんだって。」と、自分の頭の上をカラスが飛んでいった時に、
おーくんが言ったのがはじまり。


「疲れたって言ってる。」って、おーくんが言ったら、

「言ってない!」って、さっちゃん。


お:「言ってたよ!」

さ:「カラスは、カーカーしか、言わないんだよ!」


「カラスの言葉が、おーくんには、人間の言葉で聞こえたんじゃない?」と
助け舟を出してみたけれど、納得しない、さっちゃん。


もう一度鳴いてくれたら、進展するかもしれないのに、
高いところにとまったカラスは、口は開けているのに、声は出さない。

2人の間に、険悪な雰囲氣が漂っていたその時、


「あそこまで、行けたらいいのになぁ。どんな感じなんやろうなぁ。」

と、木を見上げて、あ~くんがつぶやいた。

木登りではとても行けそうにない、高いところの細い枝にとまる、カラス。


お互いにらみあっていた2人が、ふっと視線をカラスに移す。


その瞬間、3人は、きっとカラスの視点だったと思う。

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↑ 大きなブドウを、差し入れしていただきました。
 みんなリスのほっぺみたいになりながら、とってもおいしくいただきました。
 ごちそうさまでした!