仲良くおままごとしているなーと思っていたら、何やら口調がトゲトゲしくなっていた。

もめ事の種までは把握できなかったけど、不穏な空氣。

「赤いの、使ってたじゃんか!」「もう知らない!」


「もう、ご飯食べよ!」

プリプリしたまま、3人はお弁当を食べるために、その場を離れた。


1人になったこっちゃんは、無言のまま、すたすたと歩きだす。
でも、その背中がなんとも小さくて、
少し見守っていたけれど、思わず声をかける。


「何か、あった?」


すると、ぽろぽろ涙がこぼれだす。


こ:「あのね、お皿を使っちゃダメって言われたんだ。」

あ:「そうかー。お皿を使っちゃダメって言われたのが、悲しかったの?」


頷いたこっちゃんは、さらに、
こ:「でもね、お皿を使ってたのは、こっちゃんじゃなくて、あーちゃんなんだよ。」

あ:「そうなのか。それをらっちゃんには、伝えたの?」

と聞くと、首を振る。


こ:「らっちゃんはね、水を汲みに行ってて、見てなかったんだよ。」


ピンときて、

あ:「あーちゃんが使ってたって言うと、あーちゃんが怒られると思って、
   こっちゃんは使ってないけど、それは言わなかったの?」

と、聞くと、涙を浮かべて、頷くこっちゃん。


そんなことまで考えて、行動して、
でも、やっぱり怒られるのはイヤだと思っていて・・・。


なんてたくさんのことを考えて、心を揺らしているんだろうと思ったら、
なんだかこっちも胸がいっぱいになってしまった。


自己犠牲を賞賛する氣はない。
でも、この健やかなやさしさを前に、私はただこっちゃんの背中をさするしかできなかった。

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