「本当は、オオスズメバチの住んでいるところに、私たちがお邪魔して
使わせてもらっているのだけれど、みんなの命を守るために、たくさん考えて、
オオスズメバチの命をいただくことにした。」


オオスズメバチの姿を見る回数が、ここ最近増えていた。

目にする頻度が低ければ、日頃から注意喚起しているし、
そのままでいようと思ったけれど、トラップを仕掛けることにした。

朝の会で、そのことを子ども達に話しながら、
いつもは自分たちをとりまく命を大切にしようと伝えているのに、
オオスズメバチは殺してしまうという矛盾にざわざわした。


「罠に入ったハチはどうなるの?」
「一回入っちゃったら、出られないの?」

トラップの中にいれる液体(酒、酢、はちみつ)に匂いを、順番に嗅いでみたりもした。

トラップに入る=死ぬということを説明すると、みんな神妙な面持ちで聞いている。


「チョウチョが間違えて入っちゃったら、どうするの?」
「ハチが好きな匂いだから、チョウチョは入らないんじゃない?」
「でも、さっきの匂いを、臭いって言った子もいるし、
いい匂いって言った子もいるから、いい匂いって思うチョウチョもいるかも。」

チョウがもし入っていて、ハチが入っていなかったら、
大人に伝えて逃がすということになった。


チョウとオオスズメバチの差は、人間に害があるからという理由だけでいいのだろうか。
殺虫剤、除草剤に感じる違和感と、何が違うのだろうか。


そして、イノシシなども、檻が仕掛けてあるだけで、
その場所に寄ってこなくなるという例も話した。

「パトロールしているハチが、ここは罠があって危ないから近寄らないようにしようと、
仲間に伝えてくれたらいいね。」


自然と共に生きるって、考えることがたくさんある。
うまく言葉にできないこのもやもやを、大事にできる場でありたいと思う。

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