「蜜、吸い終わった花、ちょうだ~い。」

あっくんがみんなから、花を集めている。
蜜を吸うだけで、捨ててしまうのはもったいないから、
おうちごっこをしている子達にあげるため。

「僕も集めよっと。 僕にも花、ちょうだ~い。」

傍らにいたあ~くんも、両手をお椀のようにして、みんなに呼びかける。


「もう!なんでマネするんだよ!僕が集めてるんだよ!」


あっくんに強い口調で言われて、動きが止まる、あ~くん。

自分より年上で、いつもかっこよくて、
大好きなあっくんのマネがしたくなるのは、当然のこと・・・。


「みんな、めっちゃ喜んでくれたよ~。」

おうちごっこチームに花を渡して、ニコニコと戻ってきたあっくん。

まだ、固まったまま、しょんぼりするあ~くんに氣がつく。

一瞬足を止め、ちらりと見やると、


「一緒にお花、集めるか?」


そっと声をかける。

パッと顔が明るくなる、あ~くん。


「うん!いっぱい持って行こう!」


声にならない声が体から漏れていたのを、読み取ったのかな。
大人が余計な手出しをしなくてよかった。

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