「お母さんの、マフラーが欲しいよー。」

お母さんが恋しくなってしまって、涙があふれたよっくん。

昨日は寒かったこともあって、マフラーを借りてきてたけど、
今日は持ってこなかった。


「どうしたの?」
「寒いなら、タオルを巻いてみる?」

大きな泣き声に、心配して集まってきたみんなが、口々に聞く。

「お母さんの匂いがするんだよー!!タオルじゃないんだー!」


「どんな色だった?」
「青っぽくなかったっけ?」

との情報から、

「この青みたいな感じ?」と、自分のトレーナーの袖をかざす、やっくん。

「この水筒の色?」水色の水筒を指さす、ゆっくん。

「この靴みたいな色?」薄水色な自分の靴を前に出す、あっくん。


「ち~が~う~!」
提案されるものを見るたび、泣き声が少しずつ大きくなっていくような氣もする。
でも、みんなの持ち物には、いろんな青があって、それにもびっくり。


「あ、き~くんのジャンバーの色が、近いかも。」と思いつくと、
わずかに頷く、よっくん。

「でも、お母さんの匂いがしないから、ちがうの~!」

そう主張するよっくんに、
「じゃ、嗅いでくる!」と、焚き火のところにいたき~くんの、
匂いを嗅ぎに行く、ゆっくん。


「き~くんのジャンバー、唐揚げの匂いがしたで!!」

すると、みんなも面白がって、嗅ぎに行く・・・

「カレーの匂いもしたで!カレーと唐揚げなんて、最高やんか!!」


最終的には、よっくんの持ち物に、お母さんの匂いがするものがあるかも!ということになり、
リュックから取り出したタオルの匂いを嗅いでいたら、
タオルで顔が隠れて、隠れた目や鼻の場所をあてる遊びが、よっくんの涙を乾かした。

まんまるっ子の嗅覚は、こんな場面でも、磨かれているのかもしれない。
よっくんの思いに寄り添った、みんなの行動も、まぶしかったよ。

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