「ムカデかな。」

「足がないから、ムカデじゃないよ。」


虫の姿が見えなくなって久しい冬のフィールドで、
竹チップの中から出てきた幼虫を見つけて、しゃがみこむひ~ちゃん。

ゆっくりだけど確かに動いている幼虫に、じっと見入る。

周りに集まってきた子達も、興味深げにのぞき込む。


竹チップをさらにかけようとしたは~ちゃん。

「埋めたら、かわいそうだよ。」

「いきなりつかむ方がかわいそうだよ。」

「埋めたら、息ができなくなっちゃうよ。」

「太陽で焼けこげちゃうから、かけてあげているんだよ。」

いろんな意見が出てちょっと険悪なムードになったけれど、


「あ、この子、足があった!」の一言で、言い争いはピタッと止んで、
みんなが幼虫に注目する。


「前の方にだけ、足があるんだね。」

さらに見物者が増えていく。


「あ、これ、前に腐った木から出てきたやつだ。木をいれてあげたらいいよ。」


「食べ物は何かな~。葉っぱかな~。」

と、葉っぱを入れようとするゆっくんに、

「自分で見つけるんじゃないか?」ときーくん。

「”余計なお世話”ってやつだよ。」なんて言葉も飛び交う。


結局、竹チップと落ち葉と枯れ木を、ちょうど1/3くらいずつ入れることに。

そぉっと、以前カメの家にしたところまで持って行くことで、
外敵(?)からも守られることになった。


どんなに小さくても、やっぱり命の存在は、場を豊かにする。

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