「ゆっくんのことを抜かしたよ。」
「あってるよ!」

かくれんぼの鬼を決めたいだけだったんだ。

いつもは大きい子達がやることが多い、鬼決めの儀式(?)。
歌いながら順番に、靴の先を指さしていって、最後に指さした人は鬼じゃないから抜ける。
それを繰り返して決める、鬼決めの時の、小競り合い。


よく見ていると、歌のリズムと指さすタイミングが合ってない時も多いのだけれど、
1人の靴を抜かして指さしたのが、氣に入らなかったみたい。


靴の先がくっつくように足を出しているので、当然、肩の触れ合う距離でまるくなっている。

意見を聞いてもらうために、こっちを向いてほしくて肩に手をやったのを振り払い、

「だから!ちがう(自分は間違っていない)って言ってるでしょ!」

と、パンチが続く・・・。


なので、
「違うって言いたかった氣持ちを、手で言っちゃダメじゃない?」
と言うと、思わず涙がでてしまう。


「やってないよ~!」と、涙が止まらない。

やられた方は、怒ってその場を去ってしまった。


他の遊びをしていた子が、「どうしたの?」と聞くと、泣き声は大きくなるばかり。


「違うよって言いたかったんだよね?
でも叩かれて痛い!って思っちゃったら、氣持ちを聞く氣にならないと思うよ。」
と、話を続けてみる。


しばらくすると、
「泣いてるから、(手を使わない方法は)できない~」と、声が出た。

「そうか、じゃ、お水飲みに行く?」と聞くと、頷くので、一緒に水を飲みに行く。


水を飲んで、氣持ちを落ち着けると、
「できると思う。」と、ぽつり。

「手じゃなくて、口で違うよ!って言えるってこと?」と確認すると、

頷いて、もう一度、

「できると思う。」と。

なので、
「そっか、今度はやってみよう。何回失敗してもいいからね。」と伝える。


小さな体は、なんというか、すっと肝がすわった感じ。

あふれる氣持ちを表現し合う場を、挑戦の場を、保障したいと思う。

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