「さぁ、出発進行~!ぴぴ~!」

さほど大きくない木によじ登り、船ごっこが盛り上がる。

”船長の席”とされた場所に、座れるのは1人。

みんな、みんな、船長になりたい。


「ねぇ、僕も乗りたいよ~。」

てっくんが先に登っていたよっくんの背中に言ってみるけれど、よっくんが動く氣配はない。


「ねぇ~」


ようやくてっくんの方を向いてくれた、よっくんに、


「ねぇ、僕も乗りたんだよ。」

答えてくれないよっくんに、さらに聞いてみる。

「僕を乗せるの、いやなの? どうなの?」


その質問の声色に、脅したり、自分の欲しい答えを強要する感じが微塵もないことが、
すごいな~と思う。

本当に、わからないから聞いているだけ。


そんな風に、素敵に聞くから、よっくんだって、

「いいけど?」


と、怒りもせず、するっと答えが出る。


ついつい相手のことを思いやれずに、自分の感情にまかせて質問してしまうことが、
よけい物事をややこしくしていたり、関係を悪くしている事ってたくさんあるだろうなぁ。

まんまるっ子達から、日々学んでいます、ありがとう。

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