「う~ん、なんか切りにくいな~。
 こっちでやるわ。」

ノコギリの台にする丸太との相性が合わず、体勢が整わないあっくん。

手の置きどころ、体の向き、そして丸太を代えてみたりしながらノコギリを使う。


傍らで、じっと見るあ=くんの、ケーキを作る手は止まっている。

さっきまで混ぜていたお鍋の中身が固まりかけていても、ノコギリから目が離せない。


ノコギリを使い終わって、あっくんが片付けるのを見届けると、
しばらくして、あ=くんもノコギリを取りに行った。


「これ、切る。」


青竹を切ると、緑の切粉が出た。

「わ、緑だね~。」

力が弱いので、切るというより、なでている感じだけれど、とってもうれしそう。


周りのおしゃべりに、つい氣を取られちゃうので、
手元から目を離すことが多くて、見ている方がドキドキだけど、
休み休みながらも、ノコギリを使う手は止めない。


「ひっちゃんが、切ったろか?」

なかなか切れないのを見かねて、ひっちゃんが声をかける。

ぎゅんぎゅん切ってくれるけれど、しばらくすると

「は~、もう手、痛いわ~。」

すると、「じゃ、俺が切ったろか?」と、りっくんが声をかけてくれる。


こちらも、しばらくしたら、鬼ごっこのお誘いがかかってしまった。


「やっぱ、鬼ごっこしてくるわ。」


ノコギリを手渡されたあ=くんは、またゆっくりゆっくり切り始める。


ノコギリが滑ってしまって、切りたい場所じゃないところを切る度に、

「あ、違っちゃった~。」と言いながら、なんとも楽しそう。


お手本がたくさんいてくれるから、
小さな子達もだんだんと刃物が使えるようになるんです。

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