「いやだ!行きたくない!」

遊び場を移動する案が出て、みんなの合意も取れたと思い、
リュックをしょって準備をしていたら、1人だけ行きたくないということが判明した。


先を急ごうとする子達に、
「いきたくない子がいるんだ。
みんなの行きたい氣持ちも大事にしたいけど、行きたくないって氣持ちも聞きたいから、
ちょっと話をしよう。」と引き留める。


最初は、行きたくないと言っていた子も、数人いた。
でも、行きたい子達がどうしていきたいか、行った先ではどんなことができるかを
力説しているうちに、
「やっぱり行く」と言う子が増えていった。


もう、リュックをしょって、行く氣まんまんの子ども達がじれったそうに、
「行こうよ!なんで行きたくないんだよ!」と詰め寄る。

「そんな風に怖い声で言ったら、氣持ちをいいたくなくなっちゃうんじゃない?」と言ってみる。


「行く!行く!行く!」と「行かない!行かない!行かない!」のぶつかり合いにもなった。

「やりたいことが、下(行った先)でしかできないことなのか、
行きたくない子のやりたいことが、上(今いるところ)でしかできないことなのか、
考えてみたらどう?」と、提案してみる。


「イノシシパウダー(と名付けた、下の特定の場所の土)が欲しいの!」
「下の池で、タガメが見つけたいの!!!」
「イノシシパウダーは、下にしかないんだよ!」


「空港ごっこがやりたいの。下には行きたくない!」

「下でも空港ごっこはできるんじゃない?
行ってみてもいないのに、わからないんじゃない?」

「いやだ!行きたくない」

「ロープを全部つなげて、みんなで飛行機になって、下に行くのは?」

「久しぶりだから、下に行きたいんだよ。
部屋の中だけじゃ、遊びがつまらないみたいに、上の森だけじゃ遊びがつまらないだろ!」

「じゃあ、お昼まで上で遊んで、お弁当食べたら下に行くのは?」

「下で遊んで、お昼だけ上に来るのは?」


「もう!遊びたいだけなんだよ!話してるのやだよ!」

「ジャンケンにしたら?」

「もう、みんなは下に行きたいんだから、人数が多い方にしようよ!」


たくさんの意見が出た。
たくさんの折衷案が出たり、無理やり押し通そうとしたり、
あの手この手で説得しようとしたり、たくさんたくさん考えた。


最終的には、話疲れて休憩しようということになり、
休憩なら下でしてもいいということで話がまとまり、下に移動した。


数が多いことや、声の大きさ(私自身が声が大きい方だから、特に氣になる)や、
力の強さで結論がでなかったことに安堵したけれど、なんだか最後はうやむやになってしまった。


下に移動した後、最後まで行きたくないと言い張っていた子が、
私に泣きついてきた。

「やっぱり、やだった、下。
下に行ってみて、つまらなかったら上に戻ろうって言ったじゃん。
もう戻りたい・・・。」と。


「そうかぁ、つまらなかったか。
もう少し、楽しくできないか、考えてみない?」と言うしかできなかった。

しばらくすると、他の子が様子を見にきたりして、
楽しくなり、遊びがゆっくりと展開していった。


多数決ではなく、たくさんの話ができたのは収穫だったけれど、
改めて、ひとりひとりの氣持ちを尊重することの難しさもじっくり味わったひととき。
保育後のスタッフミーティングでも、いろんな感想が出た。
子ども達は、それぞれどんな風に心が揺れたのかなぁ。


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