氣になって、「どうした?」と声をかけると、とたんに顔が歪んで・・・
「こわかった~」と、抱きついてきた。
ノコギリで指を切ってしまって泣いている子に、絆創膏を貼ったり、
ずっこけて泣いている子に、寄り添って、理由を聞いたり、よしよししたり・・・。
年長児として、小さい子のお世話をする機会が、
今日は、いつもより多いような感じがしていた、い~ちゃん。
でも、遊んでいたら、船のところに、ムカデを一番に見つけたのも、い~ちゃんだったのだ。
「あぶないから、今日は、船で遊んだらダメってことにしよう!」と、決めて、
他の子達が、「船には近づいちゃダメだよ!」とふれまわっている最中だった。
いつもなら、率先して、他の子に注意喚起する側にいることが多いけど、
ムカデを見つけたことが、よっぽど怖かったみたい。
お姉さんとして周りを氣づかうだけじゃなく、
自分の氣持ちにも素直になれて、表現できたことが、素敵だな~と思う。
「あ、ちょうちょ。」
泣いていたい~ちゃんが、声を発したのは、しばらくしてから。
「どこどこ?」
周りにいた子たちも、探したら、い~ちゃんの洋服と同じ色の、オレンジ色のちょうちょ。
「わ、ホントだ、かわいいね~」
い~ちゃんの涙の原因も、涙を乾かすきっかけも、
一緒に生きる小さな命だった。