「あ、“ゆき”や!」
焚火の前で、火の加減を見ていたきーちゃんがぽそり。
雨が雪にかわったのかと思い、空を見上げるも、目に入るのは・・・、雨。
きーちゃんの目線が焚火から外れないから、同じように目線を焚火へと動かす。
じーっと、じーっと見ていると、確かにふわっと舞い上がる“ゆき”。
「な?“ゆき”やろ?」
「今日の“ゆき”は、下からふわって上がるねんで。」
「ここなんて、“ゆき”が積もってる!」
焚火の中心には、確かに白く“ゆき”が積もっている。
「あったかいところにもある“ゆき”や~!!」
服にも、お弁当の袋にも、あちこちに舞う“ゆき”。
「前な、雪めっちゃ積もった時あったやん?雪だるまつくったけど、溶けて壊れちゃってん。
この“ゆき”やったら、溶けないね!」
溶ける雪は溶けるところが、溶けない“ゆき”は溶けないところが、それぞれ魅力の一つだね。
焚火で出来た“灰”が、“ゆき”になるなんて、きーちゃんの目には、いったいどんな素敵な世界がうつっているんだろう。
「今日何して遊んだか、焚火の他はナイショね!」とないしょのお話が大好きなきーちゃん。
何をして遊んだか見つからないように、ぜーーーんぶ片付けて・・・。
お迎えに来たお母さんにも、スタッフのかおりんにも、
「今日は何もしてないねん!焚火だけ!」とニヤニヤ。
「ナイショってこと、すぐに忘れないようにね。話したらダメだよ。」と念も押されたから、今日のエピソードは、ちゃんと“焚火のこと”にしたからね!