2022年12月

221229  氣持ちの交差点

「もうっ! なんで教えるんだよ~!!」

文字通り、鬼の形相で、ま~くんに歩み寄る、ゆっくん。


怒っているゆっくんの雰囲氣を感じとっただけで、ま~くんは涙が出る。


「せっかく、隠れていたのに!!」


缶けりをしていて、いい場所に隠れたのに、
先に見つかったま~くんが、鬼に場所を教えてしまったのが許せないのだった。

まだ、ルールがいまいち理解しきれていないま~くん。
年下だからといって、ルールを破ることを、許せないゆっくん。


「ま~くんが、隠れている場所を鬼に教えちゃったから、イヤだったんだよね?」

と、ゆっくんに確認すると、力強く、頷く。


「鬼が困っているから、教えてあげたかったのかな?」
と、ま~くんに尋ねると、こちらも大きく頷く。


”ルールだから”と片付けるのは、簡単。
でも、その背景にある、それぞれの氣持ちを、大事にしたい。

両者にお互いの氣持ちを伝える。
納得するか、受け入れるかどうかは別として、
そういう氣持ちがあったということをわかってほしい。

鬼以外は、隠れている人の場所を教えないというルールを確認して、
缶けりは再開した。



怪我をしないように、いつでも助けられるように見守る距離間も、もちろん大事。

でも、それ以上に、心の機微を感じ取れる距離に在りたいと思う。

2022年、最後のまんまるも、たくさん心が動いた1日でした。


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221228  涙の終わらせ方

「う”っわ~ん」

森に響く、よっくんの泣き声。

船の入り口によっくんが作った、要塞のような門。
階段もばっちりふさいでいたので、船でご飯を食べたい人が登れるように、
板を動かしたのが、イヤだった。


「壊した!」

「登れないから、動かしただけだよ。またもとに戻すよ。」と、言っても、

「壊した!!」と、にらむばかり。

そして、涙が流れたのだった。


しばらく大きな声で泣いた後、
「どうやったら、泣くのが終わるのか、わからない~」と、しゃくりあげるよっくん。


周りで先にお弁当を食べ始めた子達も、心配そうに見ている。

「あじめは、言いたいことを全部言ったから、すっきりしたよ。
 まだ涙が出るってことは、よっくんの氣持ちが、全部でてないのかもよ。
 もう少し涙が出たいってことじゃないのかな。」


よっくんの言葉は続かずに、また「うわ~ん」と泣き声が大きくなる。


またしばらく泣いた後、
「水飲む?水筒取ってこようか?」と聞いたけど、
答えを聞かずに動いてしまったのが、またいけなかった・・・。


差し出された水筒を見て、
「なんで、水なんか持ってくるんだよ~!飲みたくなんかないよ~!」
と、さらに泣き声が大きくなる。


隣にいたいっくんが、
「お水を飲みたくないのに、持ってきたのがイヤだったんだね。」と
静かな声で、よっくんの氣持ちを確認する。


たくさん泣いたから、しゃくりあげてしまったよっくんは、
「どうやって、お弁当を食べたらいいんだよ~!」と、また涙が出る。


それでも、ひとしきり泣いた後、まだ呼吸は整ってなかったけど、
お弁当を開いて、少しずつ食べ始めた。


傍らにいることしか、できない。
涙の終わらせ方、タイミングは、自分しか、知らない。


でも、自分で決めたから、スッキリした顔で、
「今日のトマトはな、めっちゃ大きいねんで!」と見せてくれた。

船の上の空氣が、よっくんの笑顔で一氣に軽くなった。


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221227  見張り

「・・・・」

丸太の椅子、笹、みんなのリュックと水筒などなどが満載の船の上で、
走り回るみんなの様子を、無言で目で追う、やっくん。


あ:「やっくんは、ケイドロやんないの?」と、聞いてみる。

何もしゃべってないけれど、体からは、
”やりたい!”が漏れている氣がしたから。


や:「やらないよ。30分は。」

や:「け~君たちはね、好きなことをしているんだ。
   じゃんけんで勝ったから。」


みんなで作った秘密基地が壊されないように、30分交代で、
見張りをたてることにしたらしい。
見張り役以外は、秘密基地を氣にすることなく(!!)
とっても楽しそうにケイドロをしている・・・。


すると、そこへ、あっくんが息を切らせて戻ってきて、

「ね~、やっくんも(ケイドロ)やってよ~。
 もうみんな捕まっちゃってさ、僕しかいないんだよ!」

大好きなあっくんのお願いだから、やっくんの心も動くかなと思ったけれど、


や:「ダメ。見張りだから。
   30分経ったら、いいよ。」

何度、あっくんが「お願い!」と言っても、頑なに動かなかった。


あきらめたあっくんがケイドロに戻り、またその様子を目で追うやっくん。


そのうちに、「もうお弁当食べよ~ぜ~」と、みんなが戻ってきてしまった。


「え”~、まだ僕はケイドロやってないよ!」

やっくんが抗議すると、

「ひとりでやってきたら?俺は、弁当食べるわ。」

と、なんともつれない返事。


「も~!!! 
 ひとりじゃ、ケイドロ、できないんだよ~!!!」


ひとりじゃないから、できる楽しい遊び。
仲間がいるからこそ味わう、くやしさ、もどかしさ。

今日も一緒に、まんまるの場をつくってくれてありがとう。

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★生穂base★ 2022.12.23(金) 寒い日のダンスパーティー

 

“今日は風が強い。焚火は、燃えたまま飛ぶかもしれない葉っぱより、重さのあるものを入れよう。焚火の周りと焚火との距離にも気を付けよう。”と朝の会でもお知らせがあった今日のまんまる。

 

 

ビュオーーー

ザワザワザワザワ~

 

ビュオーーーーン

ザワザワザワ~

 

「うわ~!!」

「風すごいねーーー!」

 

思わずしゃがみこんで風の行方を見送っていると、

「あははは!」

「見た?!風と一緒に火も踊ってたね!!」と笑いが止まらないきーちゃん。

 

あの凄まじい勢いに圧倒されている間に、風と焚火とのダンスパーティーが開かれていたようだ。

 

「“ビョー!グ~、ゴォー!!”やったなー」

優雅なものではなく、間違いなく激しめだ。

 

 

アンコールも聞こえぬ間に、すぐさま指揮をとりはじめる“かぜ”

 

「っきたー!!」

今度の舞台には、きーちゃんも。

 

お次は、“雪”、“木の枝”、“はっぱ”と続々と訪れるダンサーたち。

「増えたな、踊る人!!」

 

何楽章にも続く風のオーケストラ、終わりはあるのかないのか。

そして、いよいよ最後のダンサーにスポットライトがあてられる。

ラストを彩るのは、なんと“きーちゃんのトンガリぬくぬく帽子”!

 

「ちょっと帽子が!」

「なんか首がだんだんグイ~ンってなってる!」

 

クルクル回る帽子、きっと得意技は回転なんだろうな。

 

今思うと、今日一日、ずっと踊り続けていたんじゃないだろうか、“きーちゃんのトンガリぬくぬく帽子”。

 

こっそりと参加していた“鼻水”の踊りにも、揃ってにっこりだったね。

 

 

まんまるっこの“そうぞうりょく(想像力・創造力)”、楽しむ力にはいつも驚かされる。


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今日、きーちゃんが初めてした焼きみかん。

なんで焼くのか不思議がっていたけど、真っ黒な服に着替えたみかんを手に乗せたとき、皮を剥いて食べたときの「うわぁ~」という声や表情の“あたたかさ”。

 

これもきっとやってみたからこそのこと。

 

 

今年もたくさんありがとう。

来年もよろしくね★



221221  人間は悪いのか

「アリはな、悪いねんで。」

お弁当を食べながら、おーくんが力説するので、理由を聞いてみると、

「だってな、他の虫とかを殺して、食べるねんで。」と。


「殺したんじゃなくて、死んでるやつを運んでいるだけじゃない?」と、
よっくんが聞くと、

「いや、殺して食べるねんで。だから、悪いねん。」と、きっぱり。

「でも、食べなかったら、アリも死んじゃうんじゃない?」と聞いてみても、

「でも、殺すからだめやねん。」との答え。


「じゃ、人間も、魚とか鳥とかブタとか殺しているから、悪いね。」と言ってみる。

お肉や魚の入ったお弁当が目の前にあるから、わかりやすいかと思ったけれど、


お:「いや、殺してないから悪くないねんで。」

あ:「魚の命を殺して食べているんじゃないの?」

お:「いや、魚釣りをしているだけなんで。」

あ:「釣った魚を殺して、食べているでしょ?」


少し黙って考えたおーくんは、
「ティラノサウルスとかも、他の動物を殺して食べるから、悪いねんで。」と。


釣りが身近だったり、イノシシや鶏の解体に立ち会う機会のあるまんまるっ子でも、
人間が他の動物を殺して食べているとう事実は認識しづらいみたい。


「食べれば、いいねんで。」と、やりとりを聞いていたよっくんが言う。

「そうか、食べる分だけ、大事にいただくようにしたらいいのかな~。」と聞くと、
よっくんが神妙に頷く。



今日、話せたのは、ここまで。

”いい”と”悪い”で、分けることの難しい、命をいただくということ。
どうしてニンゲンは殺したり傷つけてはいけないのに、他の生き物はいいのか。
実感を持って、日々食べ物に感謝していただくということを感じる機会を作っていきたいと思う。
いただいた命で生かされている、自分のことを大事にすることも、もちろんだ。

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開催場所
淡路島の豊かな自然の中で、預かり保育をしています。
上河合BASE:淡路市上河合
生穂BASE :淡路市生穂
五色BASE :洲本市五色町

※いずれも私有地のため、見学希望の場合には、必ずお問合せください
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