2022年04月

220428  読み取る

「蜜、吸い終わった花、ちょうだ~い。」

あっくんがみんなから、花を集めている。
蜜を吸うだけで、捨ててしまうのはもったいないから、
おうちごっこをしている子達にあげるため。

「僕も集めよっと。 僕にも花、ちょうだ~い。」

傍らにいたあ~くんも、両手をお椀のようにして、みんなに呼びかける。


「もう!なんでマネするんだよ!僕が集めてるんだよ!」


あっくんに強い口調で言われて、動きが止まる、あ~くん。

自分より年上で、いつもかっこよくて、
大好きなあっくんのマネがしたくなるのは、当然のこと・・・。


「みんな、めっちゃ喜んでくれたよ~。」

おうちごっこチームに花を渡して、ニコニコと戻ってきたあっくん。

まだ、固まったまま、しょんぼりするあ~くんに氣がつく。

一瞬足を止め、ちらりと見やると、


「一緒にお花、集めるか?」


そっと声をかける。

パッと顔が明るくなる、あ~くん。


「うん!いっぱい持って行こう!」


声にならない声が体から漏れていたのを、読み取ったのかな。
大人が余計な手出しをしなくてよかった。

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220427  野生の記憶

「あ、ここにも!」

去年は、熟した甘い実をいくつも食べることができた、サクランボ。
今年は風や雨の日が続くからか、未熟なまま、たくさん落ちている・・・。

「緑色は、すっぱくておいしいよ。」

昨日拾っていた子は、たしかどろんこケーキの飾りにしていたけど、
かじってみたあーちゃんが、大発見。

「ちょっと赤くなってるのもあるよ!」


ひっちゃんもかじってみるけど、

「な~んも、味がしないな。緑の方がおいしいかも。」

「ちっちゃいのより、大粒の方が味がある氣がする。」

いっちゃんも、いくつか味見した結果を教えてくれる。


まんまるっ子達の小指の先ほどの小さな実を、身を寄せ合って探す。
一度に2つ見つかったら、分け合う。

「これ、ママのお土産にしよっかな。」

ゆっちゃんが言うと、あ~ちゃんは、

「私は、お弁当のデザートにする。」と手の中に集めていく。


「これが、お弁当だったらどうする?」

と、ひっちゃんが聞くので、
「たくさん集めなきゃお腹いっぱいにならないね~。」と、みんなで笑う。

おいしそうなのを探しては、吟味して口に含む。
その一連の動作の繰り返しは、なんだかチンパンジーの群れの食事風景みたい。

私たちには、おいしいお弁当という心強い味方がいるけれど、
自分たちだけで食料を探していたころは、こんな感じだったんだろうなぁと思う。
こんなゆったりした時間が、たまらなく好きだ。

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220426  なんでも大丈夫

「今日は、水がいっぱいあって、うれしいね。」

日曜日の雨がおままごとスペースにある器ややかん、鍋にたまっているのを見つけ、
嬉々として始まる、どろんこお料理。

「あ、これを飾るのもいいね。」

あっちゃんが風でたくさん落ちていた、未熟なサクランボの実を持ってくる。

「これも!」

は~ちゃんが握りしめていたのは、最近急に伸び出した、笹の新芽。
春は、デコレーションの彩りも豊か。


「うわっ、濡れちゃった・・・」

ちょっと多めの水を入れて、トロトロをつくっていたよっくんの手が濡れる。

「あ、これで拭けばいいや。」

と、近くにあった、濡れていない木製の鍋蓋に、手の水分を擦り付ける!


しばらく遊んで、また手が拭きたくなったら・・・

「お、これでも拭ける!」

手にしていたのは、平べったくした、乾いた土の塊!!

「これは、また使うから、ここに置いておこう。」


お料理をしていた机の近くに置いた、よっくんの結論・・・

「なんでも大丈夫なんだな。」


またひとつ、まんまるっ子は生きのびる力をつけていく。


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↑ 今日は、こ~んなに大きなタケノコ(通称、竹の王!と命名★)も採れました!
たくさんの、森の恵みに感謝。

220421  交換条件

「ねー、ゆーくーん、手伝ってよー。」

毎日掘っても、毎日見つかるタケノコ。

たくさんあるので、1人1つと格闘することが多い。
でも、斜面に生えていたり、掘る前に枯れた竹をどけたり、
根っこが張り巡らされたタケノコを掘ったりするのは、思いのほか大変。

「えー、ぼくも頑張ってるから、無理~。」

やっくんのSOSに、そんな余裕はないと答える、ゆーくん。

「ゆーくんのもさ、一緒に掘るからさ、最初にこっちを一緒に掘らない?」

「え~、僕は1人で掘りたいんだよ。」

「じゃあさ、もうちょっと掘ったら、こっち来てくれる?」


少し向こうでは、きーくんとゆっくんもタケノコと格闘中。
こちらも、なんとか自分のタケノコは、自分で掘りたい。

「も~、俺のには、触らないでっていったでしょ!」

「じゃ、竹をどけるのだけは、手伝ってよ。」

横たわった枯れた竹を、シャベルで割ることになったらしい。
ものすごい音が、竹林に響き渡る・・・。
なんだか、2人も楽しくなって、2人でガンガン竹を叩く。


しんどくなったら、ヘルプが出せること、
たとえ断られても、なんとか助けてもらえるようにお願いすること・・・
どれも、タケノコ堀りだけではなく、いろんな場面で必要な能力だと思う。

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220420  名前

「私は、星空かれん ってことね。」
「私が先に、星空かれん にしたんだよ。」

お家ごっこをしていたゆっちゃんとらっちゃんが、同じ名前を選んだみたい。

どちらも、自分の方がこの名前にしたい!の一点張り・・・。


「ジャンケンにしたら?」

あーちゃんの提案には、

「勝った方が”星空かれん”なら、負けちゃうかもしれないから、ヤダし、
 負けた方が”星空かれん”なら、勝っちゃうかもしれないから、ヤダ。」

と、なんとも”そりゃ、そうだ” の、答えが返ってくる。
ジャンケンで丸く収めるということに、いつもちょっと違和感を感じるので、
興味深く行先を見守る。


「きーくんに、決めてもらったら?」

お家ごっこに参加していた、最年長に決めてもらう案が飛び出す。

「やだよ、おれ。
 かっちゃんが、決めたら?」

もめている2人の一番近くにいたかっちゃんに、火の粉(?)が降りかかる・・・。


しばらく考えている感じで、無言だったかっちゃんは、
いきなり、ダッシュで駆け出していき、離れたところからみんなの様子をうかがう。
責任が重大過ぎて、耐えられなかったようだ。


「2人とも、星空かれん に、したらどう?」

らっちゃんが、斬新なアイディアを出してみるけれど、ゆっちゃんはイヤだと言う。


しばらく、名前が決まらないまま、物語が続いていく。

白黒はっきりしない感じ、モヤっとした感じなのも、それはそれでよし。


最後には、ゆっちゃんが”星空にじいろ”という名前にすることで落ち着いたみたい。

名前1つで、こんなに揺れ動く、まんまるの場。

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開催場所
淡路島の豊かな自然の中で、預かり保育をしています。
上河合BASE:淡路市上河合
生穂BASE :淡路市生穂
五色BASE :洲本市五色町

※いずれも私有地のため、見学希望の場合には、必ずお問合せください
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