2021年11月

211130  思い込みの向こう側

「あのトロトロ・・・」

悲しげな顔で、焚き火の脇にあるフライパンに目をやる、いっちゃん。


トロトロ(土と水を混ぜて、根氣よく混ぜたもの)を焼きたくて、
その時は誰も使っていなかったフライパンを使っていたら、

「それ、私が先に使っていたんだよ!」と、ゆっちゃんに言われて、
しぶしぶ渡したところ。


「あのトロトロは、いっちゃんが作ったんだけど・・・。」

フライパンが使えないのはしょうがないけれど、
中身をつくったのは自分だから、返して欲しいのだった。


「ゆっちゃんに、トロトロは返してほしいって、
いっちゃんの氣持ちを言ってみたら?」


「でも・・・」と、もじもじする、いっちゃん。


そうこうしている間にも、ゆっちゃんは、お料理を続けている。
フライパンを焚き火にかけ、トロトロを焼き始めるゆっちゃん。


いっちゃんは、勇氣を出して、
「トロトロは、いっちゃんのだよ。」と言ってみた。

”フライパンはいいけど、トロトロは返して欲しい”なんて、
しっかりした説明ではなかったので、その言い方ではちょっと小競り合いがあるかなと思った。


「でも、ゆっちゃんのトロトロも入ってたから、もう混じっちゃったよ。」と、ゆっちゃん。


あぁ、返してもらえないかな~と思ったら・・・



「だから、一緒に使おう。」


思いがけないゆっちゃんからの提案に、いっちゃんの顔がぱっと明るくなる。


自分の氣持ちを、そのまま伝える大事さを、今日もまんまるっ子から学ぶ。

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211125  まんなか

「そんな風に、あっくんが言われたら、どう思うの?」


こっちゃんの両端には、うつむくあっくんとひっちゃん。

2種類の長さのものがある、まんまるのロープ。
その長い方を使いたくて、もめていた。


2人とも、手がでることはないけれど、どちらも譲らず、引かず、第3案も出ず・・・。


そして、今までは、「あっちで、ケンカしているよ」などと、
保育者に教えに来てくれるだけだったこっちゃんが、仲介に入っている!と思ったけれど、
実は、しっかり仲良しのひっちゃんの味方だった!

当事者の2人は、自分のロープを使いたい氣持ちは言い合えていたので、
様子を見ていたのだけれど、ちょっとフェアじゃない氣がして、距離を縮める。


「僕が先に使ってたんだよ。」と、あっくん。
「私は、朝ちょっぴり使っただけなんだよ。
それなのに、貸してって言っても貸してくれないの!」とひっちゃん。


”か~し~て” ”い~い~よ” になんて、ならないのである。

お互いに使いたいし、貸したくない理由もある。

途中で、「どうしたの~?」と集まる他の子達を、
「今話しているから、ちょっとまってね。」と制して、話し合いは続く。


ひ:「交代、交代(で使うの)は?」
あ:「やだ」

ひ:「ジャンケンは?」
あ:「やだ」


様子を見に来た子達は違う遊びを始め、楽しそうな声を挙げている。

意見が平行線のままの2人だけ、無言の時が過ぎる。


しばらく発言をしようかと迷ったけど、
「どうする?」と言ってしまった・・・


あっくんは、無言で使っていた他のロープも一緒に置いて去って行った。

ひっちゃんも、しばらくロープに目を落とした後に、そのまま置いていった。


私は、ジャッチせず、まんなかのまま、2人と同じ空間にいれただろうか・・・。

何を思い、2人もロープを手にせずに去っていったかは、謎のまま。

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↑ 今日は、斜面を使った、ダイナミックなピタゴ〇スイッチも盛り上がりました~。
 斜面で体を支えながら、絶妙なバランスの竹を微調整する姿、そして竹を流れる水に、
 みんな文字通り釘付けでした!

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211124  静と動

「ひゃっほ~!」

寒くなってきて、シャカシャカのパンツを重ねることが多くなったら、
竹のすべり台が、前よりも、滑る、滑る!


その勢いが楽しくて、前の子がどく前にぶつかって、くっついちゃうのが楽しくて、
繰り返し登っては滑るを繰り返す。


そんな時、他の子がたまたまみんな登っているタイミングで、すべり台の下の方に
かっちゃんが一人で座っている、一瞬があった。


さっきまで、おおはしゃぎだったのに、黙って空を見上げる。

軽く目を閉じる。

おひさまの光が、かっちゃんのほっぺを温める。



ほんの一瞬ののち、またみんながどんどん滑ってきて、ずっこけて、大笑い。

ひとしきり竹のすべり台で楽しんで、今度は竹の迷路を行ったり、
学校ごっこしたり、赤ちゃんごっこがいつのまにか結婚パーティになっていたり・・・。


そしたら、今度は、
「なんか、本当に眠くなっちゃった・・・。」と、竹と竹の葉っぱを敷いて、
自分たちのジャンバーを脱いで掛布団にして、またしばし目を閉じる。

鳥の影が、小さな体の上を滑っていく。


静と動が同居する、森の中。
まんまるっ子達も、静と動、どちらも存分に味わっている。

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211119  一緒に遊ぶ

「わはっ」

両手に、土の入ったお椀とスプーンを持ちながら、動かなくなったすっくん。

そのまなざしの先には、お相撲ごっこをする、少し大きなまんまるっ子たち。

お相撲ごっこに、実際に入ってはいないけれど、大きな展開がある度に、
すっくんの顔が、ぱぁっと明るくなる。


「あのお相撲、すごいね。」

「き~くん、強いね。」


お相撲ごっこに背を向けて、土で人形やケーキをつくっていたはずの、
あ~ちゃんやらっちゃんも、歓声があがる度に、試合状況(?)を確認しては、楽しそうに話す。



実際のお相撲ごっこは、楽しすぎてみんなで決めたはずのルールを、
守れなくなっちゃった子がいたりと、もめていた場面もあった。

その度に、線をもう一度引き直したり、力の弱い子も楽しめるルールに改定されていったらしい。

ほぼ午前中まるまる盛り上がり、暑くなって上着を脱ぐ子もちらほら。



お相撲ごっこの楽しそうな雰囲気をBGMに、土のおままごとも、楽しく展開する。


自分の力に、少し自信が持てるようになったら、
すっくんも、お相撲ごっこに入っていくのかもしれない。


一見、同じ遊びをしてるように見えないけれど、同じ空間にいるって、こういうこと。

みんな一緒に、大きくなぁれ。


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211117  なんでもできる

「どこをお掃除してあげましょうか?」

竹の葉っぱ部分を持って、お家のお掃除をしてくれる、らっちゃん。

ちょっと高いところだって、長い葉っぱがあるから大丈夫。


「もうちょっと高いところも、私たちは飛べるので、大丈夫ですよ。」

と、両手に葉っぱを持ってはばたく、ひ~ちゃん。


「ちょうちょにもなれるんですよ、ほら。」

らっちゃんも真似してもう1本拾って、はばたく。


「魔法で、雪を降らせることだって、できるんですよ。えいっ。」

羽が魔法の杖になり、宙を横切る。


「わ~、雪が降ってきたわ~、見て~。」

傍でおうちごっこをしていたあ~ちゃんと、ゆっちゃんが歓声を挙げる。


「なんだか、ホントに寒くなってきたよ。」と顔を見合わせてもいる。


「もう夜になったから、お家に帰りましょう。」

との、ひ~ちゃんの声掛けに、

「じゃ、羽はここに置いて置くってことにしましょう。」


身軽になった2人は、
「あじめちゃんは、お父さんになってね。」と、言いながら(勝手に決めながら!!)、

「ただいま~」と声をそろえ、竹のベットで、葉っぱの布団で眠りについた。


くるくる変わる設定のアイディアと、巻き込み力が、あっぱれなのでした。


まんまるかーちゃん&とーちゃん達、そしてスタッフが協力して整備してくれたおかげさまで、
遊べるフィールドが広がって、遊びの世界もますます広がっています。
ありがとう。

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開催場所
淡路島の豊かな自然の中で、預かり保育をしています。
上河合BASE:淡路市上河合
生穂BASE :淡路市生穂
五色BASE :洲本市五色町

※いずれも私有地のため、見学希望の場合には、必ずお問合せください
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