うつむいたまま、お玉でお鍋をぐるぐるかき回す、かっちゃん。
さっきまで、数人でわいわいおうちごっこをしていたのに。
「かっちゃん、何作ってるの?」と聞きに行ったら、涙があふれた。
泣き声を聞きつけて、
「靴、代えよっか?」とひ~ちゃんが駆け寄ってくる。
最近流行っている、靴や帽子、洋服の交換。
ひ~ちゃんが、代えっこした靴を元に戻そうかと提案してくれているのだ。
でも、かっちゃんの涙は止まらない。
「ひっちゃんと、靴を代えたくなかったの?」と聞いても、首を振る。
しゃくりあげているから、何を言っているか正確には聞き取れないけれど、
「ぼうし」という単語が聞こえてきた。
「帽子を交換して、自分のをかぶりたいの?」と聞くと頷くので、
ひ~ちゃんは、あわてて自分がかぶっていたかっちゃんの帽子を差し出す。
自分の帽子で涙をぬぐい、水筒の水を飲み、少し落ち着いたかっちゃん。
でも、お弁当を食べる氣にはならず、みんなに先に食べていてもらうことにした。
かっちゃんの様子を氣にしながらも、ひ~ちゃんは別の友達とお弁当を食べ始めた。
しばらくすると、みんなから少し離れて、背を向けて、
あじめと二人きりで、お弁当を食べることにした。
お弁当パワーで少しずつ涙が乾き、冗談も言えるようになってきた。
氣がつくと、ひ~ちゃんと二人でまたブランコに乗っていた。
また帽子も代えっこしていた。
黒か白かではなく、ごめんねと言い合ったわけでもなく、
居心地の悪さをじんわり味わった後にでも、また同じように笑える仲間がいる。
たくさん心を揺らしながら、森での時間は、ゆっくりと流れていきます。




さっきまで、数人でわいわいおうちごっこをしていたのに。
「かっちゃん、何作ってるの?」と聞きに行ったら、涙があふれた。
泣き声を聞きつけて、
「靴、代えよっか?」とひ~ちゃんが駆け寄ってくる。
最近流行っている、靴や帽子、洋服の交換。
ひ~ちゃんが、代えっこした靴を元に戻そうかと提案してくれているのだ。
でも、かっちゃんの涙は止まらない。
「ひっちゃんと、靴を代えたくなかったの?」と聞いても、首を振る。
しゃくりあげているから、何を言っているか正確には聞き取れないけれど、
「ぼうし」という単語が聞こえてきた。
「帽子を交換して、自分のをかぶりたいの?」と聞くと頷くので、
ひ~ちゃんは、あわてて自分がかぶっていたかっちゃんの帽子を差し出す。
自分の帽子で涙をぬぐい、水筒の水を飲み、少し落ち着いたかっちゃん。
でも、お弁当を食べる氣にはならず、みんなに先に食べていてもらうことにした。
かっちゃんの様子を氣にしながらも、ひ~ちゃんは別の友達とお弁当を食べ始めた。
しばらくすると、みんなから少し離れて、背を向けて、
あじめと二人きりで、お弁当を食べることにした。
お弁当パワーで少しずつ涙が乾き、冗談も言えるようになってきた。
氣がつくと、ひ~ちゃんと二人でまたブランコに乗っていた。
また帽子も代えっこしていた。
黒か白かではなく、ごめんねと言い合ったわけでもなく、
居心地の悪さをじんわり味わった後にでも、また同じように笑える仲間がいる。
たくさん心を揺らしながら、森での時間は、ゆっくりと流れていきます。



