2020年08月

200806  涙のわけ

うつむいたまま、お玉でお鍋をぐるぐるかき回す、かっちゃん。

さっきまで、数人でわいわいおうちごっこをしていたのに。



「かっちゃん、何作ってるの?」と聞きに行ったら、涙があふれた。

泣き声を聞きつけて、
「靴、代えよっか?」とひ~ちゃんが駆け寄ってくる。

最近流行っている、靴や帽子、洋服の交換。
ひ~ちゃんが、代えっこした靴を元に戻そうかと提案してくれているのだ。


でも、かっちゃんの涙は止まらない。

「ひっちゃんと、靴を代えたくなかったの?」と聞いても、首を振る。


しゃくりあげているから、何を言っているか正確には聞き取れないけれど、
「ぼうし」という単語が聞こえてきた。

「帽子を交換して、自分のをかぶりたいの?」と聞くと頷くので、
ひ~ちゃんは、あわてて自分がかぶっていたかっちゃんの帽子を差し出す。

自分の帽子で涙をぬぐい、水筒の水を飲み、少し落ち着いたかっちゃん。


でも、お弁当を食べる氣にはならず、みんなに先に食べていてもらうことにした。

かっちゃんの様子を氣にしながらも、ひ~ちゃんは別の友達とお弁当を食べ始めた。


しばらくすると、みんなから少し離れて、背を向けて、
あじめと二人きりで、お弁当を食べることにした。


お弁当パワーで少しずつ涙が乾き、冗談も言えるようになってきた。


氣がつくと、ひ~ちゃんと二人でまたブランコに乗っていた。
また帽子も代えっこしていた。


黒か白かではなく、ごめんねと言い合ったわけでもなく、
居心地の悪さをじんわり味わった後にでも、また同じように笑える仲間がいる。
たくさん心を揺らしながら、森での時間は、ゆっくりと流れていきます。

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200805  グラデーション

「こちらには、茶色と黒がありますよ~」

ケーキやプリン、アイスまで、大人気スイーツの店の横で、
地面を掘っていたひ~くんが、声をあげる。

新メニューの開発にとりかかっていたあっちゃんが、
「あら、いいですわね。
じゃあ、茶色をください。」


「見て、混ぜたら、こんな素敵な色になったよ」とうれしそう。
さっきと大差ないようにも思えるけれど、
よく見ると、違う場所から採ってきただけのものよりも、やっぱり少し茶色が濃くなっている。


プリンのデコレーションをしていたあ~ちゃんは、
「私には、黒いチョコレートをください。」

キッチンに戻ると、
「あとは、塩をかけるとおいしくなるのよ。」
と、白いサラサラの砂を振りかける。


「最後には、トロトロのソースをかけたいから、採ってくるね。」
あっちゃんは、薄茶色の粒子の細かい土が採れる場所に走って行った。
そうそう、一番トロトロになるのは、あそこにある土なんだよね。


まんまるっ子は、どの場所の土が、何に適しているのか知っている。
森の土は、一色じゃないことも。
そして、まんまる歴が短い子達にも、その情報が遊びながら受け継がれていく。

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200804  木との対話

「そっち持って~」

森中から探し出した材料を、力を合わせてひっぱり、引きずり、
お家の建設が始まった。

中には、自分の身長の倍くらいの長さの枝、胴回りと同じくらいの丸太も。


「うわわわ~、倒れる~」


太い丸太を2本立てて、上に少し細めの枝を渡して、
せっかく玄関アーチっぽくなったのに・・・。


倒れた丸太を起こして、何度でもチャレンジ。

でも、地面が凸凹なのと、丸太の断面が水平でないこともあって、
なかなかバランスが難しい。


丸太を抱えて立てながら、ひ~くんは、
「僕たちはな、お家がつくりたいねん。
だから、(あなたが)倒れてはだめなんだ。
わかったか?」
と、丸太に言い聞かせる。

りっくんも、
「また、倒れたら、怒るぞ!」


すると、どうだろう、今度はピシッと立った!

かっちゃんが
「いいね!」とすかさず丸太をほめる。

「ちょうどいいね」と、こうくんも。


この後、お家づくりはロープで結んで骨組みが補強されたり、
シートの屋根がかかったりと、どんどん発展していきました。


まんまるっ子達は、木とも話ができるんだ。

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【募集】まんまる保育スタッフ(8月4日に締め切りました)

◆複数のご応募がありましたので、今回の募集は締め切らせていただきます(2020年8月4日)◆

森のようちえん まんまる では、保育スタッフを募集しています。

森のようちえん まんまる は、
★自分の「今・ここ」の気持ちを大切にする
★心・体・五感をフル活用してたくさん遊ぶ

の2つを大切に、園舎を持たず、通年で森の中で保育をしています。

2015年4月に開園した、小さな園ですが、
ありがたいことに園児が増え、新たにスタッフを募集することにしました。
一緒に育ちあいながら、まんまるの目指す場を一緒につくりたいという、
意欲のある方を募集します。
保育士や幼稚園教諭などの資格の有無は問いません。
保育者と保護者の共同運営ですので、月1回のミーティングでみんなで話し合いながら、
状況に合せて柔軟に対応しながら、これまで活動を続けて来ています。

日々の保育の中で、子ども達が教えてくれること、自然が氣づかせてくれることは、
おおげさではなく自分の生きる道を豊かにしてくれると、実感をもってお伝えしたいです。
移り変わる季節を感じながら、毎瞬間変化する子ども達、そして自分を、共に味わいましょう。

足りないところを補い合いながら、心も体もありのままいられる、
安全安心な場づくりに、あなたの力を貸してください。

まずは、実際の活動を体験しに来ていただき、マッチング期間(試用期間)を経ての採用になります。

どうぞお気軽に、お問合せください。


【森のようちえん まんまる 保育スタッフ募集】

・募集対象 まんまるの場の在り方を理解し、心身共に健康な男女
      野外活動の装備を自分で揃えられる方(帽子、雨具、防寒具、リュック、長靴など)
      普通自動車免許をお持ちの方
・業務内容 週3日の預かり保育、年に数回フィールド整備作業や主催イベントスタッフ
・勤務日  まんまる開園日(毎週火・水・木曜日)
      年に数回フィールド整備作業日、主催イベント開催日
・勤務時間 まんまる開園日・・・8時30分~15時30分頃
・勤務場所 淡路島マンモス(淡路市木曽下1267)※2021年3月以降は、新しいフィールドに移動予定
・その他  年末年始、夏休み あります

・お問合せ、ご応募
      森のようちえん まんまる awaji.manmaru@@gmail.com 
                     @を1つ消して送信してください
      080-5616-7181(担当:佐藤)※火~木は、15時30分以降にご連絡ください


※島外からの移住も含めてご検討の方には、家探し、車探しなどもお手伝いします!

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開催場所
淡路島の豊かな自然の中で、預かり保育をしています。
上河合BASE:淡路市上河合
生穂BASE :淡路市生穂
五色BASE :洲本市五色町

※いずれも私有地のため、見学希望の場合には、必ずお問合せください
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