「うわ~ん」

ふざけて押し合いっこしていたら、少し強く押されて、
バランスを崩して転んじゃった、らっちゃんが泣き出した。


遊びの延長だったから、悪氣があったわけじゃないから、
らっちゃんの突然の涙に、かたまるけ~くん。


「あじめちゃんが、向こう(らっちゃんの方)向いている間に、
ごめんって、言ったからな!」

と、言いながらも、その場を離れずにいる、け~くん。


泣き声を聞きつけて、入れ替わり立ち代わり、

「どうしたん?らっちゃん、なんで泣いてるん?」と集まってくるまんまるっ子達。


近くで押し黙っているけ~くんを見て、

「け~くんが、なんかしたんか?」と聞いてくる子もいる。


何度か、もう一度「ごめん」とけ~くんは言ったけど、
らっちゃんの泣き声と、集まってくるみんなの声にかき消され、
たぶん、らっちゃんには届いていない。


勇氣を出して”ごめん”を口に出しているのに、伝わらない苛立ちが募る。


伝わらなかったら、意味がないんだよなぁとせつなくなりながらも、
らっちゃんが落ち着くのを待っていると、涙がかわいたタイミングで、
け~くんは、その場を離れて行った。


フユイチゴを採ったり、楽しく遊び始めたらっちゃんを見て、

「お、らっちゃん、元氣になったんか」と、仲間が声をかける。


氣持ちを伝えるタイミングって、伝わるタイミングって難しい。

でも、互いを思いやっていることだけは、確信するひとこま。


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